芸術の持つ根源的なパワーを日常生活の時空間に取戻すことを企てる事業であり、アーテイストの個別的で情報化を困難とする才能を可能な限りオープンリソースなものに変換し、市場において「財」として流通・普及させることを目的としている。
 
 
 

そもそも絵画を所有するという欲望は、どこから来るのであろうか。それは視るという行為が、すなわち知るということであり、この不可解な世界の一端を明らかにするからに違いない。それにしても美術家にとっては、かくもこの世はさまざまに視えるというのだろうか。かくして視ることの欲望(所蔵)は止まることを知らない。
 
 
 

視せる(展示)という行為は魅せるということにつながる。なぜなら絵画は、他者の視線に晒されることにより、初めて円熟さを増し、美しさの自覚が生まれて来るものだからである。絵画は少しずつ、自らの内に秘めた情報を放ち、やがてそれは空間に浸透し、あらぬ世界との密通に成功する。そして絵画はおもむろに息を始める。
 
 
 

囚われの身である絵画は、いつしか人の手から人の手へと渡り歩くことにより、美しくも悲しい歴史を生きて来たのである。しかしこれからの社会においては、開かれた市場において流通(販売)されることによって、その固有の美の根拠に経済的評価が下され、やがてそれは、世界に普及することによる意味を獲得するのである。
 
     
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